うつ病は再発しやすい

2017年の厚生労働省研究班の調査によると、うつ病による傷病休暇から復職した社員の47.1%が5年以内に再び休職しています。その理由のひとつとして、うつ病には再発しやすいという特徴があることが挙げられます。一度うつ病を発症した方が再発する確率は60%、次に再発する確率は70%と高くなります。そのため、うつ病からの職場復帰は丁寧に行うべきだと言えるでしょう。

うつ病から職場復帰するときの4つのポイント

うつ病から職場復帰するときのポイントとして、以下の4つが挙げられます。

①休職期間は症状によって異なる

うつ病による休職期間は3~6ヶ月ぐらいであることが多いです。しかし、症状が重い場合や治療薬がなかなか合わない場合などはもっと長い期間休むこともあります。休職期間が長いからといって休職者が怠けているわけではありません。むしろ、休職期間が長いことで休職者自身が自分を責めていることもあります。

②復職訓練を行ってから職場復帰できるか判断する

うつ病が治りきっていないと、通勤するだけでもかなり疲弊します。リモートワークで職場復帰するにしても、うつ病の症状のため自分が以前ほど仕事できないことを自責的に考えてしまい、気分がひどく落ち込んでしまうこともあります。そのため、復職後予定する勤務を想定した復職訓練を行ってから、職場復帰できるか判断することが望ましいです。

③復職日は休暇の前の日に設定する

復職訓練をしていたとしても、復職日はとても緊張してしまうため疲弊してしまう可能性が高いです。復職日は休暇の前の日に設定しておくと、次の勤務日までに疲れを取ることができてよいでしょう。

④長く働くためには、復職後も継続して治療を受けることが望ましい

職場復帰をしたらうつ病の治療は終わりというわけではありません。むしろ、復職後は仕事のストレスがかかるため、通院や服薬などを続けたほうがよいでしょう。

また、職場復帰したからといって、うつ病を発症する前と同様のレベルで職務を遂行できるわけではありません。本人も周囲のメンバーもうつ病前と比較しないことが仕事で無理をさせないことにつながります。

文責:胡 綾及 (クリニカルリサーチ) 心理学博士
大学院でパーソナリティ心理学を専門として博士号を取得後、当社参画
広島大学大学院博士後期課程卒
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