HSPとは

HSP(Highly Sensitive Person)は、日本では「繊細さん」とも呼ばれ、周りの環境からの刺激を敏感に感じる人のことを指し、5人に1人くらいの割合でいると言われています。また、HSPは病気ではなく気質のひとつとして捉えられています。HSPの傾向があるかどうかをセルフチェックリストを使って確認することも可能です。

HSPの特徴

HSPにはいくつかの特徴がありますが、これらは人それぞれ異なるものです。
ここで紹介するのは、HSPの人によく見られる特徴の一例です。
まず、五感が非常に繊細なため、明るすぎる場所や騒がしい場所が苦手であることが特徴です。また、においに対して敏感であることや、人混みの中では疲れやすい傾向があります。さらに、人の気持ちを察する能力に長けており、相手の表情や声のトーンの微妙な変化にすぐに気づきます。そのため、周囲の空気を読むことが得意であり、物事を非常に深く考える傾向があります。

職場での困りごとと対処法

よくある困りごととしては、まず、周囲の騒音が原因で集中できないという問題があります。これに加え、急な予定の変更によるストレスを強く感じやすい傾向があります。また、長時間の会議を終えた後には、心身の強い疲労感に悩まされることもあります。

これらに対する具体的な対処法としては、集中しやすい環境を作るために、例えば窓際など明るさを調整できる席を選んだり、パーテーションで視界を程よく区切る工夫が役立ちます。また、周囲の音が気になる場合には、耳栓やヘッドホン、イヤホンを活用するのも良い方法です。
休憩の取り方も大切で、昼休みは自分だけの時間をつくったり、短い休憩でも静かな場所で過ごすと気分をリフレッシュできます。

職場での強み

困り事もあるHSPの特徴を持つ人には、ほかの人にない強みも持っています。

細かいミスに気づく能力が高く、丁寧で質の高い業務をこなすことができたり、また、相手の感情を深く理解することや、困っている人に迅速に気づく能力に優れており、思いやりのある接客や対応ができます。

自分らしく働くためのコツ

自分らしく働くためには、まず自己理解を深めることが大切です。自分が苦手なことや疲れやすい状況を把握し、それに対応できる方法を見つけておくとよいでしょう。また、必要に応じて自分の特徴を説明し、自分のペースを尊重する姿勢も重要です。加えて、十分な睡眠を心がけ、休日にはしっかり休息を取ることも効果的です。

文責:胡 綾及 (クリニカルリサーチ) 心理学博士
大学院でパーソナリティ心理学を専門として博士号を取得後、当社参画
広島大学大学院博士後期課程卒
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