PM理論とは?

PM理論とは、リーダーに求められる行動を2つの役割に分けた考え方です。この理論は心理学者の三隅によって提唱されました。PM理論では、リーダーには「仕事を進めること」を重視する役割と、「メンバーの気持ち」を大事にする役割があると考えます。

「仕事」重視の役割は「P機能(Performance function:目標達成機能)」、「メンバーの気持ち」重視の役割は「M機能(Maintenance function:集団維持機能)」と呼ばれます。それぞれの具体的な行動としては以下の例があります。

P機能:組織の目標や業績向上に向けた行動

例:課題の設定、成果の管理など

M機能:チームの人間関係を良好に保ち、メンバーのやる気や協力を引き出す行動

例:傾聴、承認など

PM理論におけるリーダーの4タイプ

PM理論では、P機能とM機能の強弱の組み合わせによってリーダーを次の4タイプに分類します。

  1. PM型(PもMも強い)

目標達成に向けた行動力と、人間関係への配慮の両方を備えたリーダーです。チームを方向づけながら、メンバーのモチベーションも引き出すことができるため、成果と協力のバランスを取りやすいのが特徴です。

ただし、両方を高く維持するにはエネルギーやスキルが必要なため、リーダー自身が負担を感じることもあります。

  1. Pm型(Pが強く、Mが弱い)

目標達成への意識が高く、結果を出すことに長けたタイプのリーダーです。組織が変化や成長を求められる場面では、その実行力が大きな強みになります。

一方で成果を追うあまり、メンバーの気持ちや業務ペースへの配慮が手薄になることもあります。より継続的な成果を目指すには、時折立ち止まって「人とのつながり」に意識を向けることが大切です。

  1. pM型(Pが弱く、Mが強い)

チーム内の関係性を大切にし、メンバーから信頼されやすいリーダーです。安心して話せる雰囲気づくりや、相手に寄り添う姿勢が組織の土台を支える場面も多くあります。

目標設定や成果への働きかけといった「方向性の示し方」を少しずつ伸ばしていくと、チームの力を一層引き出せるようになります。

  1. pm型(PもMも弱い)

成果や関係性に強く働きかけることが少ないタイプです。

このタイプは、周囲を観察する力や無用な介入を控える姿勢があるため、環境や自分自身への理解を深める余地があります。少しずつ「自分が何を大切にしたいのか」に気づき始めることで、リーダーとしての方向性が見えてくるタイプです。

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