ウェルビーイングに関する理論は数多くありますが、その中で最も有名な理論はPERMA理論でしょう。
PERMA理論はアメリカの心理学者セリグマン(M.Seligman)によって提唱された理論です。
「PERMA」とはウェルビーイングを構成する次の5つの要素の頭文字を取った言葉です

Positive Emotion(ポジティブ感情):

楽しい、面白い、希望を持つ、興味を持つといった自分の中の感情だけではなく、思いやりや感謝のように他者に向けられる感情も含まれます。こういったポジティブ感情を追求することで、困難な場面を乗り越える力を身につけられると考えられています。

Engagement(没頭):

没頭とは目の前のことに集中することを意味します。仕事に没頭しているときのように、没頭している最中は自身の感情や状態はあまり意識されません。後で振り返ったときに「今この瞬間を生きていた」と感じられる逆説的なウェルビーイング状態と言えるでしょう。

Relationships(人間関係):

嬉しかったとき、何か成し遂げたときには家族や友人、職場の人などが必ず自分のそばにいたと思います。良好な人間関係もウェルビーイングに欠かせないものです。現在の人間関係を大切にするだけではなく、新しい人間関係を構築することも、この要素に含まれます。

Meaning(意味・意義):

セリグマンの言うMeaningのニュアンスは、「大きな存在に仕える」ことや「使命」が近いと考えられます。何かに奉仕する、大きな組織に属することにより、自身の人生を意味のあるものにすることができるとセリグマンも推奨しています。

Achievement(達成):

仕事で成果を上げることはもちろん、何かを成しとげることは私たちに喜びをもたらします。ただし、この達成の要素はそれだけに留まりません。例えば、得られるものがないゲームに勝つと、大人でも嬉しく思うものです。こういった一時的な快楽も含まれます。
5つの要素のどれを特に重視しているかが分かれば、今の自分のウェルビーイングに強く関係するものが何かを知ることができます。

文責:胡 綾及 (クリニカルリサーチ) 心理学博士
大学院でパーソナリティ心理学を専門として博士号を取得後、当社参画
広島大学大学院博士後期課程卒
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