自律神経とは

自律神経とは、自身の意思とは関係なく体の状態をベストに保ち続ける神経の総称です。
体温や呼吸を管理したり、食べ物を消化したりといった生命の維持に必要なことを自律神経は調整しています。

交感神経と副交感神経

自律神経は交感神経と副交感神経の2種類からなります。

交感神経は、体を活動的な状態にするための神経です。
例えば、スポーツをするときは体が「戦うか逃げるか」という状態にならなければなりません。
そういった場面では交感神経が働き、心臓の鼓動や呼吸を速くして筋肉に多くの血液や酸素を送り、活発に動ける状態に体を整えます。

反対に、副交感神経は体を休息状態にするための神経です。
食事をした後やリラックスしているときなど、体を静かに休ませるときに副交感神経は優位に働きます。
副交感神経が働くと、心臓の鼓動や呼吸が穏やかになり、筋肉の緊張が和らぎます。
また消化活動が促進して栄養素の吸収が効率良く行われるようにすることも、副交感神経の働きです。

自律神経のバランスと健康

自律神経は常にバランスが整っているわけではありません。
ストレスや不規則な生活リズム、運動不足、アルコールやカフェインの過剰摂取、病気などをきっかけに、自律神経のバランスが崩れることがあります。

自律神経のバランスが崩れると、様々な身体的・精神的な不調が生じます。
交感神経が過剰に働きすぎると、常に筋肉が緊張状態になるので頭や腰などが痛くなったり、不安やストレスを感じやすくなります。
また、副交感神経が過剰に働くと体が過度にリラックス状態になりすぎて、だるさや疲れやすさを感じやすくなります。

自律神経のバランスを整えるためには、適度な運動やバランスの良い食事、十分な睡眠などが重要です。
また、深呼吸やヨガといったリラックスするためのスキルを身につけたり、環境を整えることも有効です。

文責:胡 綾及 (クリニカルリサーチ) 心理学博士
大学院でパーソナリティ心理学を専門として博士号を取得後、当社参画
広島大学大学院博士後期課程卒
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