不安とは

不安は私たちが日常的に感じるネガティブな感情のひとつです。例えば試験を受けるときや、危険な場所に近づくとき、自身がこれからどうなるのかといった不安を感じます。
こういった不安は一時的なものであり問題はありません。
また、問題解決や危険への備えにつながるため、生きていくうえで必要な感情とも言えるでしょう。

しかし、仕事や学業などに集中できなくなったり、外出できなくなったりするほど強い不安が長く続き、日常生活や社会生活に支障がでるようになると、不安障害と呼ばれる心の病気の可能性があり、治療の対象となることもあります。

不安障害の種類

代表的な不安障害には以下のようなものがあります。

・社交不安障害
人前で話をしたり食事をしたりする場面で極度に緊張してしまい、動悸がしたり、赤面したりすることから、そういった場面を避けようとしてしまう病気です。人前で何かをする場面で緊張してあがってしまうことは誰しも経験することですが、この病気の人にとって、そうした場面は、耐え難いほどの苦痛や恐怖心を伴うものとなります。

・全般性不安障害
仕事や家庭のこと、自分の健康など常に色々なことに漠然とした不安や心配を持ち続けてしまう病気です。他の不安障害に比べて不安の対象が幅広く、家庭、会社、学校、近所づきあいなど様々なものに対して不安を感じます。
絶えず色々なことを心配しているため物事に集中できなくなったり疲れてしまい、日常生活にも支障が出てしまいます。

・パニック障害
身体的には問題ないにもかかわらず、死にそうになるほどの気分の悪さや激しい恐怖に襲われるというパニック発作が何度も起こるという病気です。
パニック発作を恐れ、過去に起きた場所や、もし発作が起きたときにすぐに逃げられないような場所を避けたり、そもそも外出自体を避けようとするような行動も多くみられます。

不安への対処法

一時的な軽度の不安であれば深呼吸などをして身体を落ち着けることで、心も落ち着くことがあります。
また、不安を引き起こす否定的な考えは本当に妥当なものか、違う考え方はできないかなどと状況を振り返ることが、不安の軽減に効果的である場合もあります。
ただし、上記の不安障害のように、不安による苦痛を強く長く感じる場合は、家族やカウンセラー、医療機関に相談して、適切な治療を行うことが必要な場合もあります。

文責:胡 綾及 (クリニカルリサーチ) 心理学博士
大学院でパーソナリティ心理学を専門として博士号を取得後、当社参画
広島大学大学院博士後期課程卒
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