2種類の性格理論ータイプと傾向ー

性格には、血液型のようにタイプで考える立場と、社交性の程度のように傾向で考える立場があります。
ただタイプで考えると、どうしても当てはまらない方も出てくるものです。
一方、傾向の高低や組み合わせを使えば全ての人の性格を説明できます。
そのため、性格を傾向で考える立場が心理学では主流です。

「性格」は5つの傾向から説明される

性格を説明する傾向は以下の5つであるという理論が、心理学では1990年代ぐらいよりゴールドバーグ(Goldberg, L. R.)をはじめとする多くの研究者により唱えられてきました。

Openness(開放性):

知的好奇心の傾向。

  (例)高いほど初めての物や出来事に対しても物怖じしない。

     低いほど昔からある物や考えを大事にする。

Conscientiousness(誠実性):

仕事や課題などにおける行動の持続性の傾向。

  (例)高いほど高い目標を掲げて粘り強く働く。

     低いほど日常のささいなことに幸せを感じて満足できるため、あまり取り組まない。

Extraversion(外向性):

他の人や物事へどのように働きかけるかといった傾向。

  (例)高いほど色々なことに積極的に働きかけ、活動的に過ごすことを好む。

     低いほど自分の内面の思考などを大事にして、穏やかに過ごすことを好む。

Agreeableness(調和性):

他者に関心を持ち、協調した行動を取る傾向。

  (例)高いほど思いやりや配慮といった行動を取る。

     低いほど自分の判断を大事にして自律的に行動する。

Neuroticism(神経症的傾向):

感情が安定しているかを示す傾向。

  (例)高いほど不安が強いので慎重になる。

     低いほど感情的に安定していて楽観的である。

これらの傾向は「5つ」あるということからビッグファイブと呼ばれたり、アルファベットの頭文字を取ってオーシャン(OCEAN)と呼ばれます。

そしてこの5つの性格傾向を測るアンケートが主要5因子性格テストです。

性格によってウェルビーイングのあり方が変わる

その人にとってのウェルビーイングのあり方は、性格、そして志向性と現在の状態の3次元が組み合わさって決まります。
しかしこの組み合わせは時間と共に変化していくため、定期的に自身を振り返る必要があります(参考:プリズム理論-ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社開発)。

文責:胡 綾及 (クリニカルリサーチ) 心理学博士
大学院でパーソナリティ心理学を専門として博士号を取得後、当社参画
広島大学大学院博士後期課程卒
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