カウンセリングとは
カウンセリングとは、カウンセラーと呼ばれる専門家に話を聞いてもらい、問題の解決策を見つけるプロセスです。相談者の問題を理解したり、問題に対処するための方法を一緒に考えたりするために、カウンセラーは様々な心理学的技術を使用します。
現在行われているカウンセリングの原点は、アメリカの臨床心理学者ロジャーズ(Rogers, C. R.)の来談者中心療法にあると言えるでしょう。来談者中心療法では「適切なサポートがあれば人々は自分の問題を解決する能力がある」という考えのもと、相談者の話をカウンセラーが丁寧に傾聴します。
カウンセラーの態度
ロジャーズは自身が行ったカウンセリングの事例を分析して、効果のあったカウンセリングに共通していたカウンセラーの要素を3つ取り上げました。これはロジャーズの3原則と呼ばれています。カウンセリングでカウンセラーが取るべき態度とも言えるでしょう。
ロジャーズの3原則は以下の通りです。
・共感的理解
カウンセラー自身の価値観は脇に置き、相談者の立場から相談者の話や気持ちを理解しようとすること。カウンセラーの価値観を相談者に押しつけないことにつながるため、相談者は自由に話すことができる。
・無条件の肯定的関心
善悪や好き嫌いなどの判断を入れることなく、相談者の話を聴くこと。相談者の話が反社会的であったり攻撃的であったりしたとしても、最初から否定するのではなく、なぜそのように考えるようになったのか考えながら聴く。これにより相談者が安心して話すことを促す。
・自己一致
カウンセラーが感じていることと、相談者に対する態度が一致していること。これは、カウンセラーが自身に対しても真摯な態度でカウンセリングに臨むことを意味する。例えば、相談者の話が分からないときはあいまいに聞き続けるのではなく、分からないことを伝える。
カウンセリングの対象者・対象となる問題
カウンセリングの対象者や対象となる問題は様々です。
スクールカウンセリングのように学生の学校の悩み・不安を対象としたカウンセリングが行われることもあれば、キャリアカウンセリングのように成人のキャリアパス選択をサポートすることもあります。また家族カウンセリングのように、家族の問題を解決するために親と子どもの両方に働きかけることもあります。
文責:胡 綾及 (クリニカルリサーチ) 心理学博士
大学院でパーソナリティ心理学を専門として博士号を取得後、当社参画
広島大学大学院博士後期課程卒