全般性不安障害とは

全般性不安障害とは、日常生活の様々な出来事や状況に対して過度に心配し、不安を感じるという精神的な障害です。実際には些細なことであったとしても全般性不安障害の患者さんは危険や脅威を感じ、過度に心配します。
毎日多くのことで常に心配しているため、集中力の低下や疲労感といった問題も見られます。

一般的な不安と全般性不安障害による不安の違い

程度の違いはあれ、どんな人でも不安は感じるものです。しかし、健康な人と全般性不安障害の患者さんの不安は以下の3点で違います。

・日常生活を阻害する

全般性不安障害の患者さんは、コントロールできないほど強い不安を抱えます。考えないようにしたくても不安が頭の中に残るため、考えたり作業したりすることがままならなくなります。

・不安になる対象や不安の持続時間

仕事や家計、自分や家族の健康など、全般性不安障害の患者さんの不安は多岐に渡り、また長い時間心配し続けます。しかし、実際に何かしらの問題が生じるリスクやその問題の深刻度と、その不安は釣り合いません。

・身体症状

全般性不安障害の患者さんは、不安から筋肉が常に緊張しやすいです。その結果、肩こりや首コリなどの身体症状を伴うことが多いです。また、過敏性腸症候群や頭痛などストレスが原因となる身体疾患でも悩んでいる方が多くいます。

全般性不安障害の経過

全般性不安障害は30歳前後で特に発症率が高いです。患者さんの年齢が若いほど、全般性不安障害による問題が深刻であることが多いです。男女比は1:2で、女性のほうが全般性不安障害を患うリスクが高いと言えます。

全般性不安障害は、生涯を通して良くなったり、悪くなったりという経過を繰り返しやすいです。完全に治るということはあまりありません。年齢に伴う変化として、不安の対象が変わることが挙げられます。青年であれば学業やスポーツといった成果に不安を抱きやすい一方、自分の家庭を持つ中年では家族が事故に遭わないか、自分は何か病気になっていないかなどで心配になります。

文責:胡 綾及 (クリニカルリサーチ) 心理学博士
大学院でパーソナリティ心理学を専門として博士号を取得後、当社参画
広島大学大学院博士後期課程卒
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