ハラスメントは、多くの人々に影響を与える深刻な問題です。職場環境において従業員の身体的、心理的な被害を引き起こす可能性があります。ハラスメントについて理解することは、それを認知し、防止し、より健全で生産性の高い職場を作る上で重要です。

ハラスメントとは

ハラスメントとは、職場における就業環境を害する言動のことです。
学校でのいじめとは異なり、ハラスメントは、より微妙で複雑な行動を伴うことが多く、グレーゾーンと判断される事例も多くあります。ハラスメントかどうかを認定するためには、客観的な立場から「業務上適切な範囲の言動であったか」を、双方の認識を聴取しながら議論する必要があります。

ハラスメントの種類

日本におけるハラスメントは「〇〇ハラ」と省略されたりして、様々なパターンの定義がされています。以下は代表的なハラスメントの例です。
パワーハラスメント(パワハラ):職場における優越性を背景としたハラスメントです。厚生労働省が6類型(身体的な攻撃・精神的な攻撃・人間関係からの切り離し・過大な要求・過小な要求・個の侵害)に分類しています。
セクシャルハラスメント(セクハラ):性的な言動で、職場環境を害したり、対象に不利益を与えたりするハラスメントです。
マタニティハラスメント(マタハラ):妊娠期の女性だけでなく、妊娠前から育児期において男女問わず対象となりうるハラスメントです。支援制度を利用する人を邪魔したり、妊娠出産育児に関してネガティブな言動をとることで就業環境を害します。

ハラスメントの防止

ハラスメントを防止するには、組織が一丸となって取り組む必要があります。以下は、その一助となるステップです。
教育と研修: ハラスメントの定義と対処(相談方法や予防のためのコミュニケーションスキル)について従業員に伝える。
明確な方針: ハラスメントを禁止する方針を定め、周知・運用する。
支援制度: カウンセリングや安全な報告制度など、被行為者への支援を提供する。

まとめ

職場のハラスメントは、コミュニケーションの食い違いなどから生じて、個人や組織に大きな被害を生むことがあります。ハラスメントとは何か、その影響、防止策を理解することで、より健全で協力的な職場環境を作ることが可能になります。誰もが職場で安全で尊重されると感じる権利があることを意識することが重要です。

文責:洞内 千佳(クリニカルリサーチ/保健師)
急性期医療病院での看護師業務経験後、当社にて研究成果の実装業務に従事
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻卒
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