Vol.3 全然評価を受けられず/ほめてもらえずやる気がうせてしまったケース|管理部門・管理職者向け|上司との関係に困った社員のサポートマニュアル

人事の基礎知識

今回も人事などの管理部門・管理職者向けに「上司との関係に困った社員のサポートマニュアル」Vol.3として、実際の相談事例を参考にしながら対応例を解説・紹介していきます。

自社に当てはまる例がないか、社内の状況と照らし合わせながら、Vol.1やVol.2もあわせてこちらで紹介した対処方法を参考にしてみてください。

Vol.3 全然評価を受けられず/ほめてもらえずやる気がうせてしまったケース

前回のVol.2では、意見を上司に伝えても、否定ばかりされてしまい自信を失ってしまっているケースを取り上げました。今回は「全然評価を受けられず/ほめてもらえずやる気がうせてしまったケース」を取り上げます。重複する部分もあるかもしれませんが、Vol.2と併せて参考にしていただければと思います。

今回の状況については、以下のようなご相談が寄せられます。

※個人情報に配慮し内容は意図が変わらないように少し変えさせていただいております

  • 仕事を続けていても、特に評価も受けられず、昇進・昇給することがなくやる気が出ない
  • 大きなプロジェクトを終えたところなのに、またすぐに次の大きな仕事を任されて、特に褒められることもないので心が折れてしまいそう
  • 仕事をしていても上司から褒めてもらったり評価を受けたりすることがなく淡々と受け取られるため、部署全体でモチベーションが下がっているのを感じる

これらのケースから受け取れることをそれぞれ詳しくみていきましょう。

仕事へのモチベーションが落ちてきている

仕事をしていても、評価を受けたり褒める・認めるような言葉かけをされなかったりする状況が続くことで、仕事へのモチベーションが落ちてきているのがわかります。

Vol.2の「意見を上司に伝えても、否定ばかりされてしまい自信を失ってしまっているケース」と異なる点としては、Vol.2のように否定をされる場面がなくても、仕事のモチベーションは落ちてきてしまう、という点です。

頑張って努力して働くのは普通・当たり前という考え方で、すべて評価されるのが当たり前ではないという考え方の方もいるかもしれません。

しかし努力に見合う評価や報酬がないと、努力をし続けられないと感じる方も多く、その結果、仕事へのモチベーションが落ちていくのではないかと考えられます。

仕事における自分自身の存在意義を感じられなくなっていく

仕事において、大きなプロジェクトを達成した、使命感のある仕事を成し遂げた、といった場合に、その社員は達成感だけではなく精神的に大きなストレスや疲労感も一緒に感じている場合があります。

そういった場合に上司や上席の者から、昇給や昇進などの形で認められる、褒められるということがないと、徐々に仕事における存在意義を感じられなくなっていってしまうケースもあるでしょう。

仕事における自分自身の存在意義を感じられなくなっていくことで、徐々にモチベーションの低下や自己否定にも繋がり、抑うつなどの精神的な不調にもつながる恐れがあります。

管理部門・管理職者が社員に対してできること

今回の事例の場合に、管理部門・管理職者が社員に対してできることを紹介します。

  • それぞれ社員の仕事ぶりに対して評価する機会を設ける
  • 仕事への不満や思いを打ち明けられる場を設ける
  • 日常的に部下を褒める癖をつける

それぞれ解説します。

それぞれ社員の仕事ぶりに対して評価する機会を設ける

定期的に社員の仕事ぶりに対して評価する機会を設けましょう。

これまでのケースと同じように社員それぞれの意見や訴えを聞く場を設け、その際にそれぞれの社員の仕事ぶりを評価するのも良いです。

また年度末や賞与のタイミングなどで、具体的な昇給や昇進という形での評価も良いかと思います。必ずしも口頭ではなく、給与明細などの書面の形でも良いので、それぞれの社員が「評価をされている」と感じられる機会を設けると良いでしょう。他者からの承認を受けることで、モチベーションの低下や自己否定をしてしまうことを防げるでしょう。

仕事への不満や思いを打ち明けられる場を設ける

それぞれの意見や訴えを聞く場を設けると前述しましたが、仕事への不満や思いを、周りを気にせずに打ち明けられる場があると良いでしょう。

部署全体の集まりや、人事評価など上司が集まる場面などでは、本心で話しにくい場合があるので可能であれば、なるべく心を開いているであろう存在との1on1などがおすすめです。

またチャット相談のように、あえて社内の方ではなく社外の専門家に不満や思いを打ち明けるというのも、心置きなく話せるための一つの手です。

日常的に部下を褒める癖をつける

日常的に上司と部下の間で、コミュニケーションを取ることが大切だとVol.2では解説しました。

このコニュニケーションの中で、日常的に部下を褒めていくのも効果的です。

日常的な関わりを増やすことで、上司に対して不信感を抱きにくくなるだけではなく、さらにその中で部下を褒めると、上司に対する信頼感が高まる場合もあるでしょう。

しかし部下を抱えて働いている方も「褒めないと」と考えていると、その考えがストレスに感じてしまうかもしれません。心の余裕を持って徐々に癖として、日常的に他者を褒められるようになっていくと良いですね。

まとめ

今回はVol.3として、「全然評価を受けられず/ほめてもらえずやる気がうせてしまったケース」について取り上げました。

次回も人事などの管理部門・管理職者向けに、「上司との関係に困った社員のサポートマニュアル」として、実際の相談事例を参考にしながら解説していきます。

Vol.1やVol.2と合わせて、ぜひ今回の内容を参考にして社員の思いへ耳を傾けてみてくださいね。

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