Vol.2 自分が意見を言っても否定ばかりされてしまい自信を失ってしまっているケース|管理部門・管理職者向け|上司との関係に困った社員のサポートマニュアル

人事の基礎知識

今回はVol.2として人事などの管理部門・管理職者向けに、「上司との関係に困った社員のサポートマニュアル」として、実際の相談事例を参考にしながら対応例を解説・紹介していきます。

自社に当てはまる例がないか、社内の状況と照らし合わせながら、Vol.1と同様にこちらで紹介した対処方法を参考にしてみてください。

Vol.2 自分が意見を言っても否定ばかりされてしまい自信を失ってしまっているケース

前回は、厳しい上司に意見をはっきり言えないというケースでしたが、今回は意見を上司に伝えても、否定ばかりされてしまい自信を失ってしまっているケースを取り上げます。

今回の状況については、以下のようなご相談が寄せられます。

※個人情報に配慮し内容は意図が変わらないように少し変えさせていただいております

  • 自分が意見を言っても、「何を言ってるんだ」というような風にみられたり、否定されたりして自信を失っている
  • 意見を否定されてから、自分自身の仕事のやる気がなくなっていった、自己肯定感が落ちてしまったと感じている
  • 意見を伝えても否定しかされなかったので、何も言う気がなくなった

これらのケースから受け取れることをそれぞれ詳しくみていきましょう。

自己肯定感が落ちる要因となっている

自分の意見を否定されることが続くことで、自分自身に対する自己肯定感が落ちているような方が多く見受けられました。

自分の意見に対する否定ではなく、否定の回数が多いことや頭ごなしと感じている状況から、自分自身へ対する否定と捉えてしまい、存在意義や生きている価値まで自分自身に問いただすようになってしまっている方もみえました。

「生きている価値がないように感じる」「会社に必要がない人間ではないのかと感じる」などの相談をいただく方の状況を深掘りしていくと、自分の意見や思いを伝えても否定ばかりされてきたと言う方がいます。

働く意欲が低下、もしくは失いかけている

自分自身の意見を否定されるという状況を繰り返している方の場合、「どうせ伝えても否定されるだけ」と思うようになっている方が多いようです。

上司に対して不信感を抱くだけではなく、周りの同僚と比較し、「自分は他の同僚と比べてできていない」と感じている方もいます。

そのため働くことに対する意欲が低下していたり、もしくは意欲を失いかけていたりする方も多いのでしょう。

管理部門・管理職者が社員に対してできること

今回の事例の場合に、管理部門・管理職者が社員に対してできることを紹介します。

  • まずは社員の意見や訴えを聞く
  • 上司と社員が適切にコミュニケーションを取れる場を設ける
  • 社員の自己肯定感を上げるように努める

それぞれ解説します。

先入観や言いたい事を抑え、まずは社員の意見や訴えを聞く

前回と同様にはなりますが、まずは社員それぞれの意見や訴えを聞く、または意見や訴えを共有話せる場を設けるようにしましょう。

特にスキル的に未熟な社員やミスの多い社員、あるいは姿勢に問題を感じる社員に対して、上司として言いたい事はあるかと思われます。

そのような考えを一旦脇におき、素直に話を聞いてみるという事がポイントになります。

実際に話を聞いて共感できるところを懸命に相手の立場になって考えてみてください。

きっと、今まで見えなかったご本人の側面が見えるはずです。そういった社員への理解から芽生えたコミュニケーションにより、社員からすると理解してもらえたという感覚に繋がり、物事が良い方向に好転することもあります。

自分自身の意見を発する場がなく、上司に伝えても否定されるというような八方塞がりの状況は、社員を精神的にも追い詰め、より悪い方向に進んでしまいます。

上司と社員が適切にコミュニケーションを取れる場を設ける

上司と社員が適切にコミュニケーションを取れる場を設けるようにしましょう。

上司に意見を否定されてしまう=上司へ対して不信感や「この人は自分を認めてくれないといった不満感が募っていきます。

また普段会話をする機会が少ない関係性である場合には、「いざ話すと否定されてばかり」と言う印象を与えます。そのため、この不信感や不満感はコミュニケーション不足によっても生じやすいといえるでしょう。

大切なのは普段から気軽に上司と部下が気軽にコミュニケーションを取れる環境であるということです。

日常的に会話がしやすい関係であることは、お互いストレスを溜めにくく、コミュニケーションエラーや勘違いによる不信感の増加、トラブルが起きるリスクが減少します。

社員の自己肯定感を上げるように努める

最後に社員の自己肯定感を上げるように努めましょう。

そもそも日本の若者は他国と比べて自己肯定感が低い傾向にあるのが、内閣府の調査でわかっています。

自己肯定感を上げるということは、自分自身の長所を認め、自分自身に対して満足感を得るということでもあります。

しかし国民性として自分自身の長所を認識するのが得意ではないといった面があるため、他者によって褒められることにより自分の長所を認知してもらうのも一つの方法です。

そのためには上司によって褒められたり、人事などの該当部署や担当者によって適切な評価を受けたりする必要があるでしょう。

社員一人一人の自己肯定感が上がることで、会社での存在意義も感じて働く意欲が増加し、離職率が下がる可能性が出てきたり、新たなひらめきや意見から会社の業績が上がる可能性も出てきたりするかもしれません。

定期的に社員を評価して、社員個々の自己肯定感を上げるように努めましょう。

参照:内閣府「特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~」

まとめ

今回はVol.2として、「自分が意見を言っても否定ばかりされてしまい自信を失ってしまっているケース」について取り上げました。

次回も人事などの管理部門・管理職者向けに、「上司との関係に困った社員のサポートマニュアル」として、実際の相談事例を参考にしながら解説していきます。

Vol.1と合わせて、ぜひ今回の内容を参考にして社員の思いへ耳を傾けてみてくださいね。

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