接客業に携わる人は他業種に比べてストレスを抱えている!具体的な原因と内容を解説します

人事の基礎知識

接客業というと、いろいろなお客様を相手にする仕事であり、気を遣うこともほかの仕事よりも多いのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。実際に、接客業に従事する人たちのストレス度は高い傾向にあります。今回は具体的なストレスの原因や内容を掘り下げていきましょう。

接客業に従事する人が感じやすいストレス

接客業とは、お客様と直接やり取りしもてなすという仕事です。具体的には、飲食店のホールスタッフや、アパレルショップの店員、美容師、エステティシャン、ホテルや旅館のフロントなどといった仕事が挙げられます。

お客様とのコミュニケーションが基本となる接客業だからこそのストレスにはどのようなものがあるのでしょうか?

1,クレーム対応

たとえば、スーパーやドラッグストアなどの小売業の場合には直接お客様からのクレームを受けることなども多くお客様によっては見当違いのクレームを言われることなどもあります。そうであっても、邪険にすることなく丁寧な対応をとらなくてはいけないというのはかなりのストレスがかかるでしょう。

2,立ち仕事

アパレル店員であれば一日中立ち仕事で接客をするというのが当たり前となっています。勤務時間中ずっと立ちっぱなしで接客をするというのはかなりの疲労感を蓄積することとなり、それがストレスの原因になり得ます。

3,休日が合わない

旅館やホテルのフロントなどの場合、土日や祝日などお客様として訪れる人たちが休みの日が忙しい日となるため、なかなか家族や友人のスケジュールに合わせて休みを取りにくいというのもストレスになるでしょう。

4,ノルマ

スーパーやコンビニであれば、季節ごとの販促物に対するノルマ、アパレル店員であれば毎月の販売金額のノルマなどが重くのしかかるということも大きなストレスの原因でしょう。ノルマが達成できず、泣く泣く自分で買い上げるというような話も耳にします。

接客の内容によっても感じるストレスの種類が違う

接客業と一口に言ってもその仕事内容や業務形態によって感じるストレスも変わってきます。

接客業の中でも特に小売業は、ほかの業種に比べてストレスレベルが高いという結果が出ています。一体何がその要因なのでしょうか?

1,仕事のコントロール感

小売業はお客様のニーズに合わせた販売や接客が求められる仕事です。そのため土日や祝日、年末年始など多くの人が休みの時には働くことが当たり前のようになっていることが原因として挙げられるでしょう。

また、近年ではコンビニだけではなく24時間営業をおこなうスーパーなども多く、利用者側にとっては便利になる一方で、労働者側としては働き方がよりハードになりかねないという状況だとも言えます。

2,働きがい

仕事をするうえでのモチベーションとして給与を挙げる人は多いでしょう。生活を維持するため、家族を守るため、娯楽のためなど理由はさまざまにせよ、お金を稼ぐために働くというのは立派な働きがいの一つだといえます。

しかしながら小売業の給与は、一般的に低い傾向にあります。それは、商品の単価や利益が低いということ、また店舗の維持費や代替の人員を集めやすいという理由から給与がなかなか上がりにくいという仕組みになってしまっているのです。

そのことが、働く人のモチベーションを下げてしまう要因となってしまいます。

接客業に共通する「カスタマーハラスメント」とは

カスタマーハラスメントとは、お客様であるという立場を利用して、悪質あるいは理不尽な要求やクレームをぶつけてくるという行為のことです。

たとえば、お客様側に非があるにもかかわらず、商品が悪いとクレームを言ってくる。他のお客様がいる前で大声で怒鳴る。ネットにありもしないことを書き込んで、店の評判を落とす。といった行為です。

接客業は対お客様で進める仕事が多いことから、このカスタマーハラスメントに直面する機会も多くなります。

お客様は神様だという勘違いのもとで理不尽な要求を投げかけてくることや、本来良い風習であるはずの日本のおもてなしの心、サービス精神をいいことに過剰なサービスを要求してくるということもカスタマーハラスメントの要因となっていると言えるでしょう。

一方的な間違った解釈により近年増えてきているカスタマーハラスメントは、邪険に扱うこともできずかといって長時間の拘束や暴言に付き合うことは接客業に携わる人たちの大きなストレスの要因となりのしかかってくるものです。

企業には、カスタマーハラスメントに対するマニュアルの作成や研修をおこなう、従業員一人に任せないで対応する、必要に応じて警察に通報するなどきちんとした対応策を準備しておくことで、従業員が働きやすい職場環境を整備することに繋がるでしょう。

高ストレス者は4つのグループに分かれる

続いて、接客業に従事する人たちの中で高ストレス者に分類される人たちは、4つのグループに分けることができるというお話です。

1,過重労働グループ

お客様ありきの仕事であるがゆえに、接客業は他業種に比べて仕事の量やペースを自分の希望に合わせて調整することが難しい結果、過重労働としてのしかかってしまうことがストレスの原因の一つとなっています。

また、接客業は土日や祝日など関係なく仕事が入ることが他業種に比べて多く、また連休でとることが難しいということもありがちなことから、休日の在り方に対する不満を抱える人も少なくありません。

2,イキイキ度不足グループ

イキイキ度とは、仕事に対して活気があふれて積極的に取り組むことができているかどうかを測る指標です。将来の目標が明確であったり、日々の仕事のやりがいを感じていたりすると、イキイキ度は高くなります。そのイキイキ度が不足しているということは、すなわち日々の仕事を淡々とこなすだけ、将来の目標がなかなか見いだせていない状態の人が多いということだといえます。

3,ワークライフバランスへの不満グループ

仕事と生活の調和を意味するワークライフバランスは、人生を豊かなものにするうえで非常に重要なポイントになります。ワークライフバランスの比重は、一人一人の考え方や働き方などによって異なるため、何がベストであるのかは個々人により変わってきますが、自分の理想とするバランスと乖離していることは、ストレスを感じる要因となります。

接客業に携わる人が、ワークライフバランスに対して不満を持っている場合には、先にお伝えした過重労働とあるように、仕事の比率が高すぎて私生活がおろそかになってしまっていることが多いでしょう。

4,人間関係への不満グループ

接客業の場合、職場の人間関係に加えてお客様との人間関係を抱えることにもなります。それだけ人と多く接する仕事であるがゆえに、人間関係の悩みやストレスも増える傾向にあります。また、アパレルショップや美容室などは比較的小規模人員でおこなわれているところも多いため、人間関係が悪化すると逃げ場がなくなり居心地が悪くなるということになりがちだといえます。

まとめ

以上、接客業で働くうえで抱えるストレスの原因や、職種ごとで変わるストレスの種類、そして接客業で働く人たちを悩ませるカスタマーハラスメントについて解説してきましたがいかがだったでしょうか?

接客業ならではのストレスを軽減させる方法やカスタマーハラスメントの対応などは、企業に求められる最優先事項と言っても過言でないでしょう。働きやすい職場環境の整備こそが、企業発展への近道となります。

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