こんにちは。ユナイテッドヘルスコミュニケーションの心理研究ユニットです。
今回は、企業内での職位とウェルビーイングの関係について考察してみました。
様々な企業におけるウェルビーイングを見ると、高い職位ではウェルビーイングが高く、負担の大きい現場の社員や中間管理職ではウェルビーイングが低いという傾向がみられます。
今回の分析では、そのような傾向を踏まえ、現場の最前線で働くパートタイム労働者に焦点を当て、パートタイム労働者のウェルビーイングを高める要因は何かを探る調査を行いました。
結論
パートタイム労働者のウェルビーイングを高めるポイントは、「プライベートとのバランスを維持した上で、人々の役に立てている実感を得られること」であると結論づけられました。
検証課題
- パートタイム労働者のストレス原因は何か
- パートタイム労働者のウェルビーングをあげる要因はなにか
分析と結果概要
分析対象
約6,000件の匿名データで、男女比は1:2、勤務年数0~4年以内が50%以上、年齢50代が30%、40代と60代が各20%、 雇用形態の80%以上がパートタイム労働者です。
分析手法
まず対象者を正社員とパートタイム労働者で分け、ウェルビーイング(心の充足度)を高める項目の候補を選定(相関分析)、重回帰分析により影響の強さの比較(重回帰分析)を行いました。
分析結果
この分析により、パートタイム労働者のウェルビーイングに影響を与える要因としては、「家庭の満足度」「ワークライフバランス」「社会貢献の実感」の3点であり、特に「家庭の満足度」の影響は突出していました。
まとめ
これらを踏まえて、パートタイム労働者のウェルビーイングを高めるポイントは、「プライベートとのバランスを維持した上で、人々の役に立てている実感を得られること」であると結論づけられました。
分析者所感
今回の分析から、パートタイム労働者のウェルビーイングを高めるポイントは、「プライベートとのバランスを維持した上で、人々の役に立てている実感を得られること」であるという知見を得られました。
プライベートのバランスを維持するために、企業が従業員に対して出来ること、また従業員自身ができる工夫はどんなものがあるか、さらに分析を進めて参ります。
背景
昨今、パートタイム労働者数が増加傾向にあると言われておりますが、厚生労働省の調査によると、2019年時点で約1,800万人に上っています。企業の戦力としてパートタイム労働者は欠かすことができません。
パートタイム労働者の現状は?
パートタイム労働の現状について、厚生労働省の調査によると、パートタイム労働者の実労働時間は横ばいから微減で推移しており、一般労働者と比べて総実労働時間が低い傾向にあります。
また、東京都産業労働局が実施した調査によると、パートタイマーの適正な労働条件の確保や労働環境の整備が現在の課題となっています。
パートタイム労働者の労働環境を改善の動き
パートタイム労働の改善策について、厚生労働省は、パートタイム・有期雇用労働法により、正社員とパートタイム労働者、有期雇用労働者との不合理な待遇差を禁止するなど、パート・アルバイト・契約社員として働く方の環境を良くするための法律を制定しています。
また、非正規雇用労働者の雇用の安定や待遇の改善を図るため、厚生労働省は「頑張る人が報われる社会」の実現を目指しており、行政はパートタイム労働者の労働環境改善に努めていることがわかります。
企業でも労働環境の改善に努めなければなりません。
今回はそんな企業に欠かすことができないパートタイム労働者の労働上でのストレス原因は何かを探る調査を行いました。
ストレスの要因からウェルビーイング向上の要因まで詳しく分析した結果をレポートしておりますので、御社のウェルビーイング向上の一助としていただければと思います。
まとめ
これらを踏まえて、パートタイム労働者のウェルビーイングを高めるポイントは、「プライベートとのバランスを維持した上で、人々の役に立っている実感を得られること」であると結論づけられました。
職場での人間関係やその他従業員との接し方も含め、上記ポイントを意識して仕事をすると御社のウェルビーイング向上になるかもしれません。