ポジティブ心理学とは

ポジティブ心理学とは、幸福感や充実感をもたらす要素を科学的に検証する学術領域です。「よい生き方とは何か?」、「充実した活動を促す条件は何か?」など個人や社会があるべき状態に向かうことに注目しています。なお、「ポジティブ心理学」という名称は必ずしも心理学の一分野を示すものではありません。社会学や経営学、脳神経科学など諸学問領域による学際的アプローチを視野に入れた包括的な用語として捉えられています。

ポジティブ心理学のはじまり

ポジティブ心理学は、アメリカ心理学会会長セリグマン(Seligman, M. E. P.)によって1998年に創設されました。彼は、心理学はメンタルヘルスの問題を治療するだけでなく、ポジティブな側面を促進するべきだと考えました。心理学が問題を修正するだけでなく、幸福や満足を達成する手助けをすべきだと信じていたからです。

ポジティブ心理学の代表的な研究テーマ

ポジティブ心理学で研究されている代表的なテーマとして以下のような概念が挙げられます。

・2種類の幸福感

幸福感は以下の2つに大別されます。

① ゲームに勝ったり、美味しいランチを食べたりする一時的な幸福感

② 日々の喜びや満足感が積み重なって、自身がどうありたいかという自己実現欲求が満たされるという人生全体に対する満足感

専門的には、前者はヘドニック・ウェルビーイング、後者はユーダイモニック・ウェルビーイングと呼ばれます。

・フロー

フローとは、時間が過ぎるのを忘れてしまうほど活動に完全に没頭している状態です。大好きな趣味をしているときに「もうこんなに時間が経っていたんだ」と思ったら、それは趣味の活動をしている間はフロー状態になっていたと言えるでしょう。フロー状態を体験することで、大きな満足感や成果などを得ることができます。

・感謝

日常的に使っている「感謝」という言葉と比べると、ポジティブ心理学の「感謝」には「日々のちょっとした喜び」や「素敵なことに対する喜び」も含まれます。同僚に仕事を手伝ってもらったおかげで納期に間に合ったことだけではなく、同僚に出張土産をもらって嬉しかった、通勤道路にキレイな花が咲いていたという些細な喜びも感謝に含まれます。

文責:胡 綾及 (クリニカルリサーチ) 心理学博士
大学院でパーソナリティ心理学を専門として博士号を取得後、当社参画
広島大学大学院博士後期課程卒
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