睡眠障害とは
睡眠障害とは、睡眠にかかわる疾患や睡眠における問題を総称したものです。代表的な症状は寝つきが悪い、熟睡感を得られないといった不眠です。しかし、反対に寝すぎてしまうという過眠も睡眠障害には含まれます。また、睡眠と覚醒のリズムの乱れが見られることもあります。
代表的な睡眠障害
睡眠障害の代表として以下が挙げられます。
・不眠症
不眠症は、最も一般的な睡眠障害のひとつです。具体的な症状は、なかなか眠れない(入眠困難)、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、早朝に目が覚めてしまう(早朝覚醒)、熟睡感が得られないなどです。こういった問題のため、日中に疲労を感じたり、集中力が低下してしまうという問題も生じます。不眠症の大きな原因はストレスです。
・ナルコレプシー(Narcolepsy)
ナルコレプシーは、日中に突然強い眠気に襲われる病気です。食事中や歩行中のように通常眠らないような状況でも突然眠ってしまうという特徴があります。覚醒した状態を保つのに神経伝達物質オレキシンが必要ですが、これが不足することがナルコレプシーの原因に考えられています。
・概日リズム睡眠障害(Circadian Rhythm Sleep Disorders)
概日リズム睡眠障害は、体内時計が正常に機能しないために通常の睡眠・覚醒サイクルが乱れた状態です。そのため、夜に眠るべきときに眠れず、昼間に眠くなってしまいます。海外旅行の時差ぼけや、夜勤、夜更かしのように生活リズムが24時間の体内時計のリズムとずれたときに、概日リズム睡眠障害に陥りやすくなります。
睡眠とストレスの悪循環
元々人間も動物のひとつであるため、ストレスを感じると「戦うか逃げるか」といった覚醒状態になります。そのため、ストレスがかかるとリラックスして眠れないことにつながるのです。
しかし、十分な睡眠をとれないと、些細なことでイライラしてしまったり、集中力の低下からミスをしやすくなったりします。そうするとさらにストレスを感じてしまうというように、ストレスと睡眠は相互に影響を与えあい、悪循環を引き起こします。
文責:胡 綾及 (クリニカルリサーチ) 心理学博士
大学院でパーソナリティ心理学を専門として博士号を取得後、当社参画
広島大学大学院博士後期課程卒