ソーシャルサポートとは

ソーシャル・サポートとは、日本語では社会的支援と訳され、他人から受ける助けや精神的な援助のことです。必要な時にそばにいてくれる友人や家族、地域の人からのサポートは心身をより良くしていく役割を果たします。

ソーシャルサポートの種類

1980年初頭、ハウスによりソーシャルサポートは機能の面から4つに分類されました。

情緒的支援: このタイプのサポートには、話を聞き、共感し、慰めを与えることが含まれます。成績が悪かったり、友人とケンカしたりして動揺しているときに、「大丈夫だよ。あなたは一人じゃない。 」と言ってくれる場面が該当します。

道具的支援: これは実際的な支援と考えてください。誰かが具体的な援助を提供することです。例えば、宿題で悩んでいる場合、クラスメートが数学の問題を理解する手助けをしてくれるような場合です。

情報的支援: 困っているとき、アドバイスや情報が必要な場合もあります。情報的支援は知識を分かち合ってくれる人から得られます。興味のあるトピックについて教師や図書館司書から本やウェブサイトを推薦してもらうことは、情報的支援を得ていると言えます。

承認的支援:その人の行動や考えに対し、客観的な立場から評価をすることが該当します。肯定的な評価で「がんばっているね」など言われてモチベーションが高まる場面などでは、承認的支援を受けていると言えます。

ソーシャルサポートの効果

ソーシャルサポートはウェルビーイングへの様々な良い効果が指摘されています。以下はその一例です。

幸福感を高める: 強力なソーシャル・サポート・ネットワークを持つことは、心身の健康を向上させます。

対処を助ける: 厳しい課題や家族の問題などの人生に困難が降りかかったとき、ソーシャル・サポートは私たちの対処を助けてくれます。時にはアドバイザーとして、あるいは応援団のように色々な側面からの支援が想定されます。

ストレスを軽減する:社会的支援がある時ストレスフルな出来事を回避したり、感じたストレスの認知を良い方向へ緩和する作用があります。 重い荷物を背負っているところを想像してみた時、ソーシャル・サポートがあればその荷物を軽く感じさせるように荷を負っている人を楽にすることが可能です。

ソーシャルサポートの背景理論

社会的交換理論: この理論は、社会的相互作用は取引のようなものだと示唆しています。私たちが支援を与えたり受け取ったりしていることは、互酬性という言葉であらわされてもいます。あなたが友達を助けると、友達もいつかあなたを助け返してくれるという具合です。     

愛着理論:愛着理論によれば、雛鳥が母鳥の温もりを求めるように、私たちは親しい人間関係から安らぎと安心を求めています。社会的支援は私たちの愛着欲求を満たしてくれます。

文責:洞内 千佳(クリニカルリサーチ/保健師)
急性期医療病院での看護師業務経験後、当社にて研究成果の実装業務に従事
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻卒
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