サンクコストバイアスとは

サンクコストバイアスとは、それまでに投資したお金や時間、努力などを「もったいない」と思い、現在の状況において合理的な判断をできなくなることです。サンクコストとは埋没費用(sunk cost)のことであり、もう取り戻すことができないものを意味します。

取り戻すことができない以上、現在あるいは将来に思考を切り替え、それまで投資していたものを打ち切るのが合理的です。しかし、そのような合理的な判断を行うことを困難だと感じる人は多いでしょう。

例えば、成果が出ていないのに子どもを学習塾に通わせ続けることがあります。お金の面だけで言うと、すぐに学習塾をやめるか、違う学習塾に切り替えるほうが、成果がないのにお金だけ払っている現状よりも損失は少ないです。しかし、「これだけのお金を払っているのだから、もうすぐ成果が出るはず」と思ってしまうため、つい続けてしまうのです。

サンクコストバイアスの実例

サンクコストバイアスは個人の判断だけではなく、企業の失敗でも見られます。

実例のひとつとして、超音速旅客機コンコルドの商業的失敗が挙げられます。燃費が悪いことや定員が少ないことから、コンコルドを運用しても上手くいかないことは準備段階から分かっていました。しかし動き出したプロジェクトを途中で止めることができず、実際に運用した結果、さらに赤字に追い込まれてしまったのです。この実例から、サンクコストバイアスはコンコルド効果やコンコルドの誤謬と呼ばれることもあります。

サンクコストバイアスを避ける工夫

サンクコストバイアスを避けることは簡単なことではありません。それでもサンクコストバイアスに陥らないようにするための工夫として、以下があります。

・損切り

期限や金額などの客観的な指標を基にした撤退基準は、執着心を断ち切ることに有効です。

・現時点の価値だけで評価する

これまで投資した金額や努力などを無視して、やっていることの現時点の価値だけを評価します。この評価によって採算が取れないと判明すれば、撤退の判断をしやすくなります。

・第三者に相談する

自分や関係者では「もったいない」というサンクコストバイアスに陥りがちです。利害関係のない第三者に相談することで、客観的に現状を評価しやすくなります。

文責:胡 綾及 (クリニカルリサーチ) 心理学博士
大学院でパーソナリティ心理学を専門として博士号を取得後、当社参画
広島大学大学院博士後期課程卒
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