ワークライフバランスとは

ワークライフバランスとは、仕事とプライベート生活の調和のことです。ワークライフバランスの取れた生活は、仕事と、家庭や趣味、友人との時間など生活の様々な側面がバランスよく保たれており、全般的に満足できる生活状態を意味します。なお、仕事とプライベート生活のバランスは、個々人によって異なるものです。仕事が進んでいて仕事に燃えている人では、仕事の比重が多くなります。反対に、趣味を大事にしている人や、子どもの習い事のサポートをしたい人などであれば、プライベートの比重が多くなります。

ワークライフバランスが整っていると感じられることにより、ストレスが軽減されて心身の健康が保たれ、仕事の効率が上がり生産性が向上します。そのため、従業員だけではなく企業にとっても重要な概念と言えるでしょう。

ワークライフバランスの歴史と背景

ワークライフバランスの概念は、20世紀後半に広まりました。特に1980年代から1990年代にかけて、長時間労働や仕事のストレスが社会問題となりました。その結果、多くの人々が仕事とプライベート生活のバランスを見直すようになったのです。

日本では、2007年に「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」が策定され、政府や企業が積極的に取り組むようになりました。

企業の実践例としては、フレックスタイム制度やテレワークの導入が挙げられます。従業員は自分のライフスタイルに合わせて働く時間や場所を選ぶことができるため、ワークライフバランスが向上します。

ワークライフバランスと関連する理論~欲求階層説~

ワークライフバランスに関連する理論として、マズロー(Maslow, A.H,)の欲求階層説があります。マズローは、人間の欲求を5つの階層に分けました。そして最初に満たされるべき欲求として、空腹や睡眠欲求などの生理的欲求と、自分の安全性を守りたいという安全の欲求といった低次の欲求を想定しました。これらが満たされると、他者とのかかわりを持ちたいという社会的欲求から、自分の能力を十全に発揮したいという自己実現の欲求といった高次の欲求が現れるとされています。マズローの欲求階層説で考えると、ワークライフバランスは社会的欲求から自己実現の欲求といった高次の欲求を満たすうえで重要です。逆に言うと、低次の欲求が満たされていない状態では、ワークライフバランスを考えることは困難です。

文責:胡 綾及 (クリニカルリサーチ) 心理学博士
大学院でパーソナリティ心理学を専門として博士号を取得後、当社参画
広島大学大学院博士後期課程卒
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