ストレスチェック10問版の開発と高ストレス判定ロジックの特許取得について

お知らせ

ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社(本社:東京都中央区、代表社員:)は、
ストレスチェック10問短縮版の開発、及び10問短縮版を用いて職業性ストレス簡易調査票と同等水準の高ストレス者判定ロジックを開発し、その特許出願を2023年7月26日(水)に致しました。

特許出願日

2023年7月26日(水)
特願2023-122064

特許出願の背景

2015年12月の労働安全衛生法の改正により、職場のメンタルヘルス対策としてストレスチェックの実施が一定規模以上の組織で義務化されました。ストレスチェックで使用する帳票(検査項目)として、大多数の組織で使用されているものには、「「職業性ストレス簡易調査票57問版」、もしくは「新職業性ストレス簡易調査票80問版」と呼ばれるものがあります。これらは57項目もしくは80項目の質問文を読み、それぞれに4択の選択肢で回答するというもので、WEB・紙など受検方法を問わず、10~20分ほどの時間が必要となります。従業員への負担を考慮して、より少ない項目で簡単にストレスレベルの確認ができるだけの方法が必要と考えられていたという状況的背景から、今回「職業性ストレス簡易調査票57問版」から抜粋した10問(ストレスチェック10問短縮版)を使って、高ストレス者を判定する方法を発明し、特許の出願を行いました。

ストレスチェック短縮版について

近年多くの事業所において、メンタル不全の従業員支援や職場改善のために、ストレスチェックで得られた情報をより効果的に活用したいというニーズが高まっています。
ストレスチェックの本来の目的は、従業員のメンタル不調にいち早く気付き、悪化を未然に防ぐことです。複数項目の設問に回答することで詳細なストレス状況を正確に評価することを目的とした設問数でしたが、設問数の多さが従業員に業務的・時間的な負担によるストレスとなるという矛盾がありました。また年1回の実施だけでは個人のメンタル状況の変化や業務の繁忙期、季節の変化などの外的要因による影響を考慮した結果を得ることができないため、より簡易的かつ気軽に時間負担なく実施できるものが必要でした。
そこで、厚生労働省が推奨している標準的な調査票「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」の短縮版の開発を行いました。
57項目の中から得点分布や質問項目の内容を考慮して、最終的に10項目を選出し、それら項目の得点を用いて高ストレス判定のアルゴリズムを作成し、職業性とレス簡易調査票57項目の判定結果に近似するように調整を行いました。

判定結果の信頼性

弊社が保持する過去のストレスチェックの実施データを用いて、職業性ストレス簡易調査票の判定結果に可能な限り一致するように調整を行いながら、判定ロジックを作成し、さらに判定結果やその背景にある得点の妥当性(結果の確からしさ)と信頼性(結果の安定性、一貫性)の検証を統計的な手法で行い、十分な値が確認されました。

検証結果は2回の学会発表にて報告致しました。
(第32回日本産業衛生学会全国協議会(2022年9月)、第96回日本産業衛生学会)

今後期待できる本判定方法活用の利点

ストレスチェック10問短縮版を使用すると、従来の帳票に近い、高い精度で高ストレス者を判定することが可能です。最低でも10分以上はかかっていたストレスチェックが2~3分程度で終了するため、受検者である従業員の負担を大幅に減らすことができます。
このことにより以下のようなメリットが期待できます。
①ストレスチェックと合わせて他の調査を実施することが可能になる

②月に1回など、高頻度で繰り返し実施が可能なため、繁忙期や季節的な心理変化などの細かなストレス状況を把握することができる
詳細な原因を調べることができないという制限はありますが、上記のような利点を持つ本チェックは、今後のストレスチェックの在り方を大幅に変える可能性が期待できます。

ストレスチェックについて

日本におけるストレスチェックの義務化は、労働者のメンタルヘルスの重要性に焦点をあてた政策です。2015年に労働基準法が改正され、企業は従業員に対して定期的なストレスチェックを実施する義務を負うことになりました。
ストレスチェックは労働者のストレスや健康状態を評価し、必要な支援を提供するための措置です。労働者が過度のストレスにさらされていないかを評価するツールで、医師や保健師、一定の研修を受けた看護師・精神保健福祉士の中から選定された実施者、もしくはオンラインツールによって行われます。
高いストレスを示す従業員に対しては、メンタルヘルス改善を促すような適切な処置が行われます。
この制度は労働者のメンタルヘルスの向上を図り、ストレスによる労働災害や健康問題を予防することを目的としています。一方で、企業にはストレスチェックの実施とデータの保管、労働者への適切なサポートが求められており、適切に運用することが課題とされています。

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会社概要
会社名 ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社
事業内容
ウェルビーイング向上を実現するための
各種サービス開発・運用
心理学、行動科学、自然語処理、
機械学習技術を活用したヘルスケア分野
その他分野でのITサービスの開発運営
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